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6つのポジションでプレーしてる!?
南野拓実、驚異のポジティブ思考。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2016/03/23 10:50
3月5日のグレーディヒ戦、後半36分から出場した南野は今季9点目となるゴールを決め、3-0勝利に貢献した。
不満を抱えても不思議ではない状況だが……。
以前の記事にもあるように、ガルシア監督は、チームにとって最適な戦い方を見つけられずにいる。選手の能力を考えれば、リーグで頭一つ以上抜ける存在なだけに、相手の特徴にあわせて戦い方を変えているというものでもない。
チームとしての戦い方も、自身の起用法も定まらず、ゴールを決めた次の試合でスタメンから外れることもある。そこで違和感を覚えたり、不満を抱えたりしても、何ら不思議ではない。
ただ、南野には「ポジティブシンキング」という言葉だけでは片付けられない、強さがある。
二流の選手は出番が得られなかったり、自分の望むポジションで起用されなかったりすると、くさってしまう。一流の選手ならば、どんな状況に置かれても、チームのために働こうとするだろう。
南野は、置かれた状況でゴールやアシストといった目に見える結果を残すためにはどうしようかを考えるだけだ。
「ネガティブな気持ちを少しも入れたくない」
「いまの僕は、ただ、ただ、結果が欲しいので。与えられたポジションがあるだけ、幸せだと思いますし、そこでどれだけできるのかを証明することで自分の価値も上がると思うから。
そもそも、試合に出るにあたって、ネガティブな気持ちを少しも入れたくない、と思っているんですよ。だから、ですかね」
3月17日のザルツブルクの練習場でのこと。雲一つない空のもとで、2日後に控えるマッタースブルクとの試合にむけて軽めの調整を行なっていた。160キロほど離れたアリアンツ・アレナでバイエルン・ミュンヘンがユベントスを相手に歴史に残るような戦いを見せてから半日もたっていない。
その試合で決勝点をたたき出したのは、先発から外れていたチアゴだった。
直前のブレーメン戦で2ゴールを決める活躍を見せながらスタメンから外れたチアゴは、ユベントス戦ではピッチに立っていなくても、ピッチにいる選手と同じようなテンションを保ち続けることを自らに課しているかのように振る舞っていた。