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6つのポジションでプレーしてる!?
南野拓実、驚異のポジティブ思考。
posted2016/03/23 10:50
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
AFLO
ヨーロッパでプレーするメリットを活かせる機会がついに、やってきた。
3月21日から五輪代表はポルトガル遠征へ向かった。南野拓実は、今回はA代表ではなく、五輪代表チームに参加する。オーストリアとポルトガルの時差は1時間だけ。合宿初日から最終日まで遅れをとることなく参加できることも、準備期間の限られたチームで戦うにあたって大きなメリットになる。
「ヨーロッパ遠征ですし、時差やコンディションも、あまり問題はないです。もちろん、選ばれたことは光栄なこと。しっかり自分のプレーというのを示していければいいかなと思いますし、大事なのは結果ですね。ゴールかアシストでしっかりと監督にアピールして、生き残っていければいいかなと思います」
さらに、五輪代表の活動を終え、ザルツブルクに帰ってくれば、今度は2位ラピド・ウィーンとのアウェーゲームがひかえている。
ただ、現在の南野は、ザルツブルクで絶対的なレギュラーとして起用されているわけではない。
ゴールを決めた後の試合で起用されないという不可解。
3月2日のグラーツ戦では、最後まで出番がなかった。今季のリーグ戦で初めて先発した第4節のリート戦以降で出場機会がなかったのは、このときが初めてだった。
直前の2月28日のオーストリア・ウィーン戦では、後半18分からの出場ながら、限られた時間で4本のシュートを打ち、ゴールも決めた。それゆえにグラーツ戦の前には地元メディアも南野のスタメンを予想していたし、相手の勢いに飲まれて前半13分にフォーメーションを変えざるを得ないほど苦しんだ試合で起用されないのは不可解にも映った。
グラーツ戦の後半開始早々からウォーミングアップをしていた南野は、後半18分ごろになるとアップエリアを一旦離れ、ベンチ前に置かれている水を飲みに行った。ガルシア監督の目にもその姿は映ったはずだ。しかし、最後まで声はかかることがなかった。
チームの攻撃が機能しないまま0-0で試合が終わると、南野は同じように出場機会がなかったペリバンとともにすぐにロッカールームへと引き上げていった。