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千葉の“総取っ換え”は成功するか。
揃った戦力で「まさか」の脱却を。
text by
細江克弥Katsuya Hosoe
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2016/03/02 18:00
パラグアイから今季加入したアランダが、早くもチームの中心になっている。
万全で迎えたはずの開幕戦は「全くダメ」。
ところが、万全の状態で迎えたはずの開幕戦は散々の出来だった。「セーフティー」を意識しすぎたのか意図の見えない縦へのフィードが多く、意図が伝わらなければ確信を持って前線に押し上げることはできない。
セカンドボールを拾われてプレーエリアを下げる。後手に回ってリズムを失う。すると“ムダ走り”が増え、体力を消耗してポジション間の距離は次第に離れていく。プレシーズンで示したアランダを中心とするメカニズムは、全く機能しなかった。
取材エリアに現れた船山は少し不機嫌そうだったが、その苛立ちは自身に向けられたものでもある。
「全くダメ。開幕戦のプレッシャーも緊張感もあったと思うし、徳島にも勢いがあったから仕方がないところはあると思います。でも、受け身になったらダメ。今日は(前線への)サポートも来ないし、パスを出してもそれで終わり。いつもの雰囲気じゃなかった。俺自身、何もしていないので言えることはないけど、『よく勝てたな』というのが正直なところです。勝つのはいいことだけど、修正しないと。負けた時にズルズルいきますよ。急がないと厳しくなる」
近藤「勝ったから良かったとはならない」
近藤の意見も同じ。にこやかで冷静だが、危機感は強い。
「終始、つなぐ意識がなかった。前への意識が強すぎ。縦に急ぎすぎ。これじゃあリズムを作れないし、相手の思うツボですよね。全体的に、もっと強弱のメリハリをつけて自分たちがボールを持っている時間を長くしないと。
もちろん、こういうサッカーをやろうとしているわけじゃない。プレシーズンでは結果が出ていたから『このままでいいのかも』と思っていたけど、今日はホントに、『このままじゃ難しい』と感じました。今日に関しては、勝ったから良かったということにはならない」