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浦和が優勝するために必要なこと。
阿部勇樹、キャプテン5年目の思い。

posted2016/03/03 18:00

 
浦和が優勝するために必要なこと。阿部勇樹、キャプテン5年目の思い。<Number Web> photograph by Atsushi Kondo

'10年にイングランドのレスターへ移籍、'12年にレッズに復帰し、キャプテンマークを巻いて5年目になる。

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Atsushi Kondo

 2月27日いよいよJリーグが開幕した。昨シーズンは1stステージを無敗で制しながらも年間王者を逃した浦和レッズ。ここ数年、あと一歩で栄冠を逃す悔しい戦いが続き、今シーズンこそ「タイトル」奪取を目指している。そんなチームを引っ張るのが、34歳のキャプテン・阿部勇樹だ。キャプテンに任命されてから今季で5シーズン目、阿部が今季にかける「意気込み」はとことん熱い。Number897号では、そんな彼のインタビューを掲載している。

 取材は2月上旬。鹿児島県の南端・指宿で行われていた第2次キャンプの間に行われた。鹿児島空港から車で1時間半。海辺のリゾートホテルに隣接するグラウンドでは、J2のV・ファーレン長崎との練習試合が行われていた。曇り空の中、時々小雨の降るあいにくのコンディション。50人以上集まったファンが見守る中、阿部勇樹は1本目と2本目の試合に出場した。中盤の底を任され、ルーズボールに向かって突っ込んでいく阿部の激しいチャージ。どんなトレーニングでも決して手を抜かない阿部の気迫が伝わってきた。

 練習終了後、ホテルにて取材開始。今回、撮影とインタビューを行ったカメラマンの近藤篤さんにはどうしても阿部に聞いておきたいことがあった。

昨年のACL、2敗後に物静かな阿部が叫んだ。

 それは、昨年3月第1週目の水曜日のこと。開幕前に始まったACLグループステージでレッズはアジアの強豪クラブを相手に、早くも2敗目を喫していた。ホームでのこの日の試合に0-1で敗れると、サポーターたちはいら立ちを隠さなかった。試合後のテレビインタビューに応えていたために一人遅れて挨拶に回っていた阿部にも、様々な声がサポーターからなげつけられていた。バックスタンドで頭を下げ、北側のゴール裏にさしかかったとき、普段は物静かな阿部が、突然スタンドに向かってこう叫んだのだ。

「だからさ! とにかく1勝しなきゃ始まらないんだよ! あともう4試合しかないんだよ! まず勝たなきゃダメなんだよ! おれたちやるからさ! だからさ、一緒に闘ってよ!」

 その時の詳細は、近藤さんがNumberWebに書いた「阿部勇樹を叫ばせた浦和サポの罵声。彼らの挑戦に尊敬と、少しの時間を。」という記事に詳しいが、改めて新シーズンを迎えるにあたって、あの時阿部がスタンドに向かって叫んだ「想い」を聞いてみたかったのである。話を向けると阿部はゆっくりと語り始めた。

【次ページ】 選手とサポーターの気持ちがバラバラだった。

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