ラグビーPRESSBACK NUMBER
ラグビー日本選手権はパナが完勝。
「勝負にならなかった」結果の教訓は?
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph byKiichi Matsumoto
posted2016/02/03 10:40
圧倒的な破壊力を見せたパナソニックの堀江。「学生でも(その能力は)学生じゃなかった」と自らの母校の後輩たちを賞賛した。
大学が一発勝負で日本一に挑むシステムへの疑問も。
今季はワールドカップとスーパーラグビーに挟まれた関係で、日本選手権は19年ぶりに一発勝負で実施された。そのおかげで、学生王者が社会人王者に休養十分で挑み、能力では遜色ないことを改めて実証した。
とはいえ、素晴らしいゲームでありながら、勝負にならなかったのもまた、事実だった。
「歴史ある大会をリスペクトはするけれど、大学チームが一発勝負で日本一に挑むというシステムには疑問を感じる。個人的には、学生から優れた選手をピックアップするとか、違うやり方があるんじゃないかと思う」とパナソニックのロビー・ディーンズ監督は言った。
バーンズも「いい選手が22歳までずっとユースレベルでしかプレーできないのは日本ラグビーの問題だと思う。選手自身にやる気があるなら、学生でもトップリーグのチームでプレーできるようなシステムが必要なんじゃないか。日本のラグビー界が考えていかなきゃいけないことだと思う」と提言した。
19年ぶりに実現した一発勝負。それが、自国開催となる2019年ワールドカップを3年後に控えたシーズンに行われたことには意味があったのかもしれない。
若き才能は、3年後の祭典に間に合うか。
すぐに行動を起こせば、ギリギリ、届くと思うのだが……。