リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
船頭だらけのネビル・バレンシア。
日本人獲得の可能性も急浮上の気配?
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byAFLO
posted2016/01/08 10:30
マンUでの20年の現役生活を終えた後は、イングランド代表コーチを務めていたギャリー・ネビル。
「メンデスのクライアントではない」という条件。
エル・パイス紙によると、昨年11月末ヌーノの後任探しを余儀なくされたリムはメンデスに、“次の監督はメンデスのクライアントではなく、かつ個人的に親交のない者”という条件を付けた。ファンの心情を推し量って――と書くと柔らかだが、メンデスに反感を抱くファンをこれ以上刺激しないためのリクエストだろう。
面倒な注文を受けたメンデスは、旧知の仲であるチェルシーの元CEOピーター・ケニオンに“彼の希望”を足して相談した。自分がバレンシアのベンチに置きたいのは決して経験豊富ではなく、従順で、外野の声にしっかり耳を貸す監督だと。
そこでケニオンが推したのがネビルだった。チェルシーの前に奉公したマンチェスター・ユナイテッドでネビルの人柄を知り、彼に会社的思考が備わっていることを見抜いていたからだ。
ネビルは冬の補強は不要と明言しているが……。
実際、ネビルのそういった特性は、先日オープンした冬の移籍市場で見られるかもしれない。
通常、チーム強化について絶対的な発言力を持っているのは監督である。そして、ネビルはこの冬の補強は不要とすでに明言している。
しかしバレンシアの場合、彼の判断だけでは決まらないという見方を複数のメディアがしている。
たとえばメンデスとヌーノの影響だ。メンデスはチームに複数のクライアントを送り込んでいる代理人として、ヌーノはそのアドバイザーとして、バレンシアから日々の練習を収めたビデオを定期的に受け取り、観ているという。その際抱いた意見が巡り廻ってネビルに届く可能性は十分にある。
いずれにせよ、新生バレンシアの特徴が出てくるのはこれから。ネビルの手腕もいましばらく観察していきたい。