リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
船頭だらけのネビル・バレンシア。
日本人獲得の可能性も急浮上の気配?
posted2016/01/08 10:30
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph by
AFLO
2016年最初の週末に行われた第18節、最も注目されたのはバレンシア対レアル・マドリーだった。
前者にとってはギャリー・ネビル新体制に勢いを付ける絶好のチャンス。後者にとっては前日エスパニョールと引き分けたバルセロナ(クラブワールドカップ出場により1試合少ない)にポイントで並ぶチャンス。
加えて、野次馬的話題もあった。ネビルはマンチェスター・ユナイテッド時代の後輩であるクリスティアーノ・ロナウドと敵味方に分かれて再会する。対するラファエル・ベニテスは、監督としての地位を確立したメスタージャに再び立つ――。
果たして試合は熱く盛り上がった。
連係やセットプレイやPKからのゴールだけでなく、レッドカードによる退場劇があり、終盤には息を呑む攻防もあり。
結果は2-2の引き分けで、バレンシアは第11節以来となるリーガでの白星をあと一歩のところで逃したが、チームの右肩上がりのパフォーマンスに地元ファンは満足したのではないだろうか。そしてベニテスはこの試合を最後に、就任わずか7カ月でマドリーを追われることになった。
地元紙が採点したバレンシア関係者の評価とは?
ところで、バレンシアのお膝元で発行されているスポーツ紙スーペル・デポルテが、2015年のバレンシア関係者・選手の採点表を公開している。元にしているのはウェブサイトで行った読者アンケートだ。
今回の最高点は、ネビルと前監督ヌーノの間の中継ぎとしてチームの陣頭に立ち、バルサ戦を引き分けたボロで10点満点中9.24。以下、昨年7月までチームの強化に携わってきた元GMのフランシスコ・ルフェテに8.68、ロベルト・アジャラに8.46が付けられている。
一方で、最低の2.10(14年は5.70)が付いたのはオーナーであるピーター・リムのパートナーとしてチーム作りに深く関わっている代理人のジョルジュ・メンデスだ。また一昨年はお金持ちの救世主として暖かく迎えられたリムその人や(8.50から6.95へ)、彼の右腕であるレイ・ホーン・チャン会長(8.50から7.64)も評価を落としている。
これを踏まえてネビルが監督に選ばれた経緯を遡ると、なかなか面白い。