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君はボブ・ホーナーを知っているか?
野茂、イチローらMLB新人王の系譜。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byGetty Images
posted2015/11/26 10:30
来日前、メジャーでプレーしていた頃のホーナー。日本では「赤鬼」とも呼ばれた。
野茂英雄、イチロー、ヤクルトとつながる縁。
人気者となったホーナーは日本の女優とCMで共演したり、(見方によっては)日本のプロ野球を批判するような本を出版して稼いだものの、最終戦の翌日には米国に戻って二度と日本球界には帰ってこなかった。自身の後の証言によると日本のプロ野球に対する批判はマスコミの誤報で、日本球界復帰の意思もあったというが、それは実現せず、プロ野球選手としてのキャリアも、メジャーリーグ復帰後わずか1年で終えている。
ちなみにホーナーにとってはブレーブスの後輩にあたり、1990年の全体1位指名選手だったチッパー・ジョーンズは1995年のナ・リーグ最優秀新人投票では惜しくも2位になった。18票対10票でジョーンズに競り勝って最優秀新人に選出されたのは、“日本人メジャーリーガーの先駆け”野茂英雄氏である。
野茂氏はジョーンズがプロ入りする前年の1989年、日本のドラフトで史上最多8球団の競合の末に抽選で近鉄入りしているが、それはある意味、米国のドラフトにおける全体1位指名選手のような存在だったのかも知れない。
こじつけになるが、野茂英雄がジョーンズを抑えて最優秀新人に選出された1995年、パ・リーグを制したのは2001年にメジャーで最優秀新人賞を獲得したイチロー(現マーリンズ)のいたオリックス・ブルーウェーブ(現バファローズ)だった。そして、同年の日本シリーズで彼らを破って日本一になったのは、ホーナーがかつてプレーしたヤクルトスワローズである。