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メジャー初めての登板に隠されたイチローの本心。~本来の打撃を取り戻すための、最初で最後のマウンド~
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byAFLO
posted2015/11/24 06:00
直球にスライダーとチェンジアップを交えた投球は、MLBの最優秀話題賞にノミネート。
マーリンズのイチローが10月4日、今季の公式戦最終戦となったフィリーズ戦で投手としてマウンドに上がった。4点ビハインドの8回裏を前に自ら志願。高校時代は投手としても活躍した希代のバットマンが、数々の大記録とは異なる種類の、長年の夢を叶えた。
打者5人に対し、2安打1失点。最速89マイル(約143km)の結果に、イチローは「ショックですね。最低90(マイル)とは思っていたので」と苦笑しながら振り返った。日本ハム大谷翔平のように「二刀流」を目指したわけでもなければ、登板結果を周囲がどう受け止めるか、は問題ではない。イチローにとって、「消化試合」での話題作りや、個人的な興味で打者を抑えることは、真意ではなかった。