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<ポストシーズン総括>
ロイヤルズ 30年ぶりの世界一。 

text by

出村義和

出村義和Yoshikazu Demura

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photograph byYukihito Taguchi

posted2015/11/29 16:30

<ポストシーズン総括>ロイヤルズ 30年ぶりの世界一。<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi
映画に予言されたカブスの快進撃、「ミラクル男」の6試合連続本塁打など、驚きに満ちた秋を制したのは、1年前、「あと1勝」に泣いたチームだった。

“アメージング”といえば“ミラクル”と並ぶメッツの形容詞である。が、今年はワイルドカードゲームで先発した田中将大が投じた初球から、ウェード・デービスが最後の打者ウィルマー・フローレスを快速球で仕留め、ロイヤルズのワールドシリーズ優勝が決まる瞬間まで、ポストシーズンは様々な“アメージング”の連続だった――。


 ワールドシリーズは第1戦から、まさに仰天プレーによって始まった。

 1回裏、リーグ優勝決定シリーズでMVPに輝いた先頭打者アルシデス・エスコバルがマット・ハービーの初球を左中間に強烈な一打。これを左翼マイケル・コンフォートと中堅ヨエニス・セスぺデスが追う。しかし、落下地点直前で譲り合うようなかたちになり、打球はセスぺデスの左足を直撃。これが左翼方向へと転がる間に、エスコバルは俊足を生かしてホームを駆け抜ける。ワールドシリーズでは86年ぶりとなるランニングホームラン。先頭打者では実に1903年以来のことだった。

 ロイヤルズの先発エディンソン・ボルケスは、試合開始の約2時間前に父親ダニエルさんが心臓疾患で他界したことを知らずに「夢にまで見ていた」という栄光のマウンドに上がっていた。故郷ドミニカからもたらされた突然の訃報は家族の意向で伏せられた。しかし、ネッド・ヨスト監督は、情報が漏れボルケスが登板不能に陥った場合を想定して、第4戦先発予定のクリス・ヤングをブルペンに走らせた。ヤングもまた、1カ月前に父親を失っていた。

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