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ミッキークイーンが秋華賞で二冠!
ウオッカ、ブエナ並の名牝誕生か!?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2015/10/19 11:30
ほとんどのレースで上り3ハロン最速をたたき出してきたミッキークイーンの末脚は驚異的だ。
1000m通過57秒4は史上最速のハイペース。
同じくレッツゴードンキの近くで競馬をすると思われた武豊のトーセンビクトリーは、ミッキークイーンの1馬身ほど後ろの内目にいた。
「ペースが速くてちょうどいいと思ったのですが、道中は初めて力んで走り、掛かり気味でした」と武は振り返る。
これが4番人気。ほかの人気どころを見ると、2番人気のタッチングスピーチは縦長になった馬群の最後方にいる。
1、2コーナーを回りながら単騎先頭のノットフォーマルが後続との差をひろげて行く。
4馬身ほど離れた2番手にホワイトエレガンス、さらに4馬身ほど後ろにテンダリーヴォイス、差なくレッツゴードンキ、シングウィズジョイらがいる。
向正面に入ると、レッツゴードンキが抑え切れない感じでノットフォーマルを追いかけ、差を詰めて行った。
1000m通過はレース史上最速の57秒4というハイペース。先頭から最後方まで15馬身以上ある。
ミッキークイーンは8、9番手で折り合っている。
それをすぐ後ろでマークしているトーセンビクトリーは、やや行きたがっている。
3コーナーを回りながら馬群が凝縮され、先頭のノットフォーマルから中団やや前のミッキークイーンまで6、7馬身になった。
ラスト200m、他を圧するミッキークイーンの脚勢。
4コーナーに入り、ラスト600m地点を通過。さらに密集度を増した馬群のなか、ミッキークイーンは前も外も塞がれたままラスト400m地点を過ぎ、直線に入った。
内埒沿いを走るノットフォーマルにホワイトエレガンスが並びかけ、それをマキシマムドパリがかわしにかかる。その外から、馬群の間を抜けたミッキークイーンが浜中の右ステッキを受けて猛然と伸びてくる。
ラスト200m地点を通過。脚勢からミッキークイーンの勝利は確実に見えた。
外からアスカビレン、クイーンズリングらが迫ってくると、さらに加速する。凄まじい末脚で差してきたクイーンズリングを首差抑え、ミッキークイーンが先頭でフィニッシュした。
「直線では外へ行くか馬群のなかを行くか迷ったのですが、馬の力を信じて真ん中を割って行きました。厳しい競馬になってしまいましたが、一生懸命走ってくれて、感謝しています」
昨年のショウナンパンドラにつづき秋華賞を連覇した浜中は、そう言って騎乗馬を讃えた。