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ミッキークイーンが秋華賞で二冠!
ウオッカ、ブエナ並の名牝誕生か!?
posted2015/10/19 11:30
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
NIKKAN SPORTS
ウオッカ、ブエナビスタ、ジェンティルドンナ級の名牝誕生か――。
牝馬三冠の掉尾を飾る第20回秋華賞(10月18日、京都芝内回り2000m、3歳牝馬GI)を制したのは、単勝1番人気に支持されたミッキークイーン(父ディープインパクト、栗東・池江泰寿厩舎)だった。1分56秒9というレースレコードで、オークスにつづく牝馬二冠を制覇。歴代の名牝たちを彷彿させる、圧倒的なパフォーマンスを見せつけた。
ゲートがあいた。その瞬間、ほかのどの馬より注目を集めていたのは、前走、出遅れて後方からの競馬となった浜中俊のミッキークイーンだった。大外18番枠が吉と出るか凶と出るか。ほぼ横並びでゲートを出た。前走のようなロスはない。ゲート内で待たされない「最後入れ」の大外枠が吉と出た。
最も速いスタートを切ったのは5番のシングウィズジョイだった。それを8番ホワイトエレガンス、15番テンダリーヴォイス、16番ノットフォーマルがかわしながらスタンド前を通過して行く。
ノットフォーマルがハナに立ち、内にホワイトエレガンスを引き連れて1コーナーを右にカーブして行く。
「中団より前につけないと勝てない」
その先行馬群の隊列に、スタンドがどよめいた。
ハナを切る可能性もあると見られていた3番人気の桜花賞馬レッツゴードンキが案外行かず、先頭から3、4馬身離れた5番手の外目で折り合いを欠いているのだ。
どよめきの理由はもうひとつあった。レッツゴードンキからそう離れていない中団のやや前にミッキークイーンがつけていたのだ。
「この馬としてはスタートを出てくれた。速い時計の出る馬場なので、意識的に先行集団に行こうと思っていました」と浜中。
レース前、池江調教師から「中団より前につけないと勝てないだろう」と言われていたという。
浜中はミッキークイーンをコースロスの少ない馬群のなかに誘導しながら1コーナーを回り、折り合いをつけた。