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「消化試合」にせず日本はどう戦ったか。
ラグビーW杯、“最も大事”な80分間。
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph byAFLO
posted2015/10/17 10:50
イングランドへ出発する際「この10倍のファンに迎えてもらえるように」とエディーHCは発言していた。
藤田が、五郎丸が、マフィが決めた。
アメリカ戦は、28-18というスコアで日本が勝った。
先制PGを奪われたものの、7分にW杯初先発のWTB藤田慶和の好走からチャンスを掴み、松島幸太朗が逆転トライ。五郎丸がコンバージョンを決める。24分、アメリカが20次に及ぶ連続攻撃の末に再逆転のトライを奪うが、直後のキックオフから再び藤田がビッグゲイン。そのままFWが相手ゴール前でモールを組むと、チャンスに反応したBKもモールに参加。最後は藤田が押さえた。五郎丸のゴールも決まり14-8。
33分にはPGも加え、17-8で折り返すと、後半も五郎丸がPG、途中出場のNo.8マフィがトライを加える。アメリカも後半31分にFBクリス・ワイレス主将のトライ、SOアラン・マクギンティのコンバージョンで7点差に迫るが、日本は五郎丸がだめ押しのPGを加えて勝った。
羽田空港で迎えたファンの姿が語るもの。
試合後、リーチ主将は言った。
「昨日、準々決勝に行けないことが分かった。試合前日の夜はいつも選手だけのミーティングをするので、そこで、準々決勝には行けなくなったけれど、自分たちのプライドを、プールステージ最後の試合で示そう、日本代表がどれだけすごいか世界に見せてやろう、日本で見ている人に、ラグビーの素晴らしさをみせてやろう、と話しました」
その約束が叶えられたことは、13日に羽田空港に帰国した選手たちを迎えるために集結した約500人のファンの姿が証明していた。
2015年も、プールステージ最後の試合は、特別な80分間だった。