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最後まで憎まれ役を買って出た、
エディー・ジョーンズの「ジャパン愛」。

posted2015/10/16 16:45

 
最後まで憎まれ役を買って出た、エディー・ジョーンズの「ジャパン愛」。<Number Web> photograph by AFLO

エディー・ジョーンズの手腕なくしてW杯3勝は絶対に果たしえなかった。しかし日本は、彼がいなくとも4年後に向けて再び前進しなければならない。

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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 たぶん、ジャーナリストになっていても、大成功を収めただろうと思う。エディー・ジョーンズがコラムの連載を持っていたとしたら、真っ先に読んでいたはずだ。

 もともと反骨精神が旺盛で、体制に対して信頼を置かない。“野党精神”が根づいている。しかも、多弁。オーストラリア代表のヘッドコーチ時代、ジャーナリストからの電話を取り損ねれば、必ずコールバックしたというから、メディアと話すのが好きで扱い方を心得ている。

 最後の最後まで、日本に対する批判精神をいささかも鈍らすことはなく、ジョーンズHCは日本を去っていった。

 帰国会見後の独占インタビュー(Number臨時増刊号『桜の凱歌』 所収)の席で、ジョーンズHCはこんなことを話した。

「私がいま、不安を感じているのは日本ラグビーが競争力を失う危険性です」

 大会前、いやだいぶ前からジョーンズHCは日本の強化体制の欠陥について声を荒げてきた。

 3勝1敗という好成績に興奮を隠せない関係者に対して冷や水を浴びせるように、

「2019年の大会でベスト8に進出するのは極めて難しい」

と記者会見の席で言い放った。

 彼が指摘する日本の脆弱性は、大きな点でふたつある。

 ひとつは協会の舵取り。もうひとつは、人材の育成である。

英語圏のメディアに語った日本への不満。

 大会期間中から、英語圏のメディアを通して、日本の体制に対する不満を述べていた。輝かしい南アフリカ戦の勝利の後、『インディペンデント』紙にはこんな見出しが躍った。

「日本協会の“野心の欠如”によって、退任を余儀なくされた」

 すでに日本は、2016年からスーパーラグビーに参戦することを決定していたが、その音頭を取っていたのは他ならぬジョーンズHCだった。8月には「サンウルブズ」というニックネームを決めたが、その会議にも同席していたという。

【次ページ】 スーパーラグビー開幕まで、時間はない。

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