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阪神・中村勝広GMとの最後の電話。
止まなかった批判に「男のロマンだな」。 

text by

鈴木忠平

鈴木忠平Tadahira Suzuki

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photograph byKasuaki Nishiyama

posted2015/10/13 11:40

阪神・中村勝広GMとの最後の電話。止まなかった批判に「男のロマンだな」。<Number Web> photograph by Kasuaki Nishiyama

1990年代前半の中村勝広・阪神元監督。まだ66歳での、早過ぎる逝去であった。

阪神タイガース、ひとつの時代が終わった。

「俺はまだ優勝を経験していないんだよ」

 生前、そう言っていた中村GMの夢をかなえることはできなかった。逆転日本一の夢も消えた。暗黒時代を生きた男たちの逆襲は現職GMの“殉職”という壮絶な幕切れで終わった。ただ、フロントマンたちが、その使命感を行動力に変え、積み上げてきた歴史は次の時代へとつながっていく。

「いつまでも同じではいられない。変わっていかないとな」

 今、球団関係者はこう言う。

 やはり、そうだ。この喪失感の正体。タイガースという球団にとって、1つの時代が終わったのだ。

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