日々是バスケBACK NUMBER
目標は「NBAでプレーすること」。
八村塁、17歳の明るい宣言。
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byAFLO
posted2015/09/28 12:30
今夏、高校生にして日本代表候補に選ばれた八村は、2015年の高校総体決勝で34得点の活躍を見せ、明成高校を初優勝に導いた。
外交的で、世界選抜でも積極的。
「プレーしている時はみんな同じなんで。(物怖じしていたら)代表に来た意味、やっている意味がないじゃないですか。だから、遠慮とかはないです。思い切ってプレーしているだけです」
そんな言葉からもうかがえるように、明るく、積極的で、外交的。自分の性格をどう分析するか聞くと「みんなからは、よく面白いと言われます」と言った。
今年4月、ブルックリンで行われたジョーダン・ブランド・クラシック世界選抜ゲーム(世界中から招待された高校生選手たちによるオールスター・ゲーム)に出た時も、試合中に何度もチームメイトに声をかけていた。床に倒れた選手がいると、すぐに走り寄って手を貸すなど、言葉の壁も何のその、積極的にコミュニケーションを取っていた。
「あの時は、みんなインターナショナルだったので、英語をバリバリ喋る人もあまりいないんで、同じ位の英語力でいい感じに話せました。プレーのことでも色々と言い合って、コミュニケーションをすごく取っていました」
「たまたま」の出会いが運命の分かれ道だった。
八村がバスケットボールを始めたのは富山市立奥田中学校に入った時だ。小学生の時は野球と陸上をやっていたが、中学に入ったときに「何か違うスポーツをやりたい」と思い、何のスポーツにするか迷っていた時に、「たまたま」(本人談)勧誘されていたバスケットボールをやることにしたのだという。運命の分かれ道というのは、時に、こうして偶然のように訪れるものなのかもしれない。
選手として自信を持つようになったのは、それから1年半もたたない頃のことだった。
「本当に昔なんですけれど、U14のジャパン(U14トップ・エンデバー=日本バスケットボール協会主催で、14歳以下の有望な選手を全国から集めて行われた合宿)に選ばれた時ぐらいからだったと思います」と八村。
ティーンエイジャーの八村にとっては“本当に昔”だが、実際にはわずか4年前、2011年9月のことだ。
「初心者なのに急に選ばれて、こういうところでもできるんだって。記憶では、そこらへんから自信がついたのだと思います」