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目標は「NBAでプレーすること」。
八村塁、17歳の明るい宣言。
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byAFLO
posted2015/09/28 12:30
今夏、高校生にして日本代表候補に選ばれた八村は、2015年の高校総体決勝で34得点の活躍を見せ、明成高校を初優勝に導いた。
「でかくても動ける選手が好き」
「でかくても動ける選手が好きです。あと、海外(アメリカ国外出身)の選手。ムディエイは色々と家庭の問題もあって頑張っているのでリスペクトしています」
ムディエイはザイール(現コンゴ民主共和国)生まれで、子供の頃に父を亡くし、母や兄弟と共に内戦から逃れるようにアメリカに移住した。アデトクンボはギリシャ生まれで、2年前にバックスにドラフト指名され、アメリカに移ってきた。アフリカから移住してきた父や、これから日本を出ようとしている自分と重なるところがあるのだろう。八村自身も、NBAでプレーすることを「目標」と断言する。
残り半年の高校生活、世界に飛び出すために。
そのためにも、今はまずNCAAに入ること。そして、そのために必要なのは学力だ。英語は、相手が言っていることはだいたいわかるレベルだというが、それだけでは、もう英語は問題ないのかと聞くと、「あります。問題ありありです」と言う。まだ自分の言いたいことを表現し切れないらしい。
さらに、アメリカの大学に進学し、そこでバスケットボールをやるためには、英語だけではない学力も必要だ。
明るい八村も、勉強の話になると、気のせいか少しだけ声に元気がなくなる。
「勉強できないと、(勧誘されている大学に)入れるかもわからないので、まず、今は勉強やっています。けっこう大変です。でも、小さい頃からしてこなかった分だと思うので…」
それでも、目標はゆるぎなく、そこに向けての努力は惜しまない。
「(勧誘されている大学に入るために必要な)具体的な成績がわかっているので、今、とにかく勉強を頑張っています。届きそうだとは思っています」
高校生活もあと半年。世界に飛び出していく日が待ち遠しい。