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絶対王者ユーベが開幕から勝利なし。
新戦力、新戦術、新リーダーを検証! 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2015/09/19 10:50

絶対王者ユーベが開幕から勝利なし。新戦力、新戦術、新リーダーを検証!<Number Web> photograph by Getty Images

「国内リーグのように相手が引いていないので(CLは)戦いやすい」とアッレグリ。

「ユーベにとって勝利はつねに義務だ」

 指揮官アッレグリご自慢の4-3-1-2は機能不全に陥り、新FWたちのフィット不足も重なった。真夏にイタリア・スーパー杯の上海遠征があったため、プレシーズンキャンプで基礎体力を上げるトレーニングを十分に積めなかったことも響いている。

 ユーベは今夏、総額1億2000万ユーロを越えるイタリア最大の補強を敢行した。セリエA5連覇と昨季準優勝したCLでの上位進出を図るマロッタCEOは、開幕2連敗後も「今年は過渡期のシーズンだから優勝は必要ない? とんでもない、ユーベにとって勝利はつねに義務だ」と息巻いていたが、キエーボ戦での醜態でさすがにトーンダウン。3戦終えて16位という順位には、アッレグリ監督も「今、スクデットの話題を出すのは無意味だ」と表情をしかめた。

 智将は、すでに挽回策の一部を試している。

 キエーボ戦では新加入のDFアレックス・サンドロが左SBとして先発起用され、劣勢だった後半途中からは右サイドにFWクアドラドを投入した。クアドラドの投入と同時に、アッレグリは戦術を4-3-1-2からコンテ時代の3-5-2へスイッチ。2人のサイドプレーヤーによって、試合の流れは変わった。

 FWディバラやFWマンジュキッチといった、新FW陣のポテンシャルは確かなのだから、後は中盤の軸となるべきMFポグバとMFマルキージオ、さらに故障離脱中の新MFケディラが、いかにチーム全体のプレーをオーガナイズするかにかかっている。

新戦術4-3-3のリスクはいかほどか?

 9月15日、ユーベは昨季の準優勝チームとして、今季のCL開幕戦に臨んだ。相手は、今季こそ欧州制覇を、と鼻息荒い難敵マンチェスター・Cである。

 試合前、ユーベの先発布陣はキエーボ戦の後半で機能した3-5-2と見られていた。ところが、エティハド・スタジアムに姿を現したのは、3トップにFWモラタとFWマンジュキッチ、FWクアドラドを並べた新戦術4-3-3だった。

 昨季までのチームが慣れ親しんだ2トップからの突然の変更は、当然リスクも大きい。しかし、アッレグリは“今ある戦力を最大限活かす策”をとった。サッカー監督の醍醐味とは、いつでも伸るか反るかの勝負の連続にある。

【次ページ】 先制されたが、逆転決勝ゴールを決めた。

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