錦織圭、頂への挑戦BACK NUMBER
全米OP+25歳=四大大会初制覇?
世界が優勝候補と考える錦織圭。
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byHiromasa Mano
posted2015/08/28 11:45
昨年、全米オープンの準決勝でジョコビッチと当たった時の錦織。今季は、日本人初だった四大大会決勝進出の、さらにその上を目指す。
今季、錦織が負けたのはトップ3ではないことを……。
第4シードだからトップ3とは準決勝まで当たらないのが幸いだと、シードが発表されて以来、メディアはどこも言っている。
今季マレーには2戦2敗だし、ジョコビッチにも昨年の全米オープン準決勝以来3度対戦して一度も勝てていない。フェデラーにも直近の2試合で敗れており、「第4シードを得たことは大きい」という考え方に間違いはないが、今年錦織がグランドスラムで負けた相手は全員彼らトップ3でないことも頭に置いておく必要がある。
ウィンブルドンの棄権はさておき、全豪オープンはスタン・ワウリンカ、全仏はジョーウィルフライ・ツォンガ。トップ3以外であっても危険な選手は他にもウヨウヨといる。錦織にとっては、勝ったことのないベテランも、対戦したことのない新鋭もいる。
全米の場合、ハードコートが苦手だというトッププレーヤーはおらず、誰もが力を振り絞る舞台。そこで7回を勝ち抜くというのは途方もないことなのだ。
その可能性を確かに持つ精鋭の1人――。
それが、偽りでも大げさでもない、錦織の立ち位置だ。なんとワクワクするポジションだろう。一番好きなお祭りが、間もなく始まる。