錦織圭、頂への挑戦BACK NUMBER
錦織圭のライバルは誰になるのか?
“ポスト・ビッグ4”世代を考える。
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byHiromasa Mano
posted2015/08/24 16:05
2012年、ウィンブルドン選手権の3回戦で対戦したデルポトロ。この時も錦織は3-6、6-7、1-6で敗れていた。
もしあのデルポトロに怪我が無ければ……。
ワシントン大会の翌週、モントリオールの準々決勝で、それまで7度負け続けていたナダルから初勝利を得た錦織の鮮やかな“リベンジ”劇を見ると、デルポトロが順調なキャリアを歩んでいたとしたら、2012年以降の2人の関係はどうなっていたのだろうかと残念な気持ちになる。デルポトロはまだ戻って来ない。
また、チリッチも昨年末から春先まで肩の故障で戦列を離れており、ようやく満足に戦え始めたのは初夏の頃からだ。
右足の手術でたった1カ月クレーシーズンを休んだだけのラオニッチは、まだまったく本調子に戻らない。
錦織はケガが多いという批判を今でもときどき耳にするが、こうしてテニス界の厳しい現実を見渡せば、近年は故障をしても長い休養に至ることなく、ましてやワシントンでもそうだったように故障明けによく好成績を残すなど、実に稀な、誇るべき実績ではないか。
1週間後に開幕する全米オープン、錦織の復活力にまた期待するとともに、同世代の〈ライバル〉たちの奮起も楽しみにしたい。