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大瀬戸一馬の“勝負強さ”を見よ!
「短距離界エース候補」に返り咲け。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2015/08/21 10:05
小学生時代から陸上界ではその名をとどろかせてきた大瀬戸一馬。世界陸上で再び短距離界のエース争いに名乗りをあげるか。
補欠から急遽出場してチームを救ったリレーでの激走。
それでも、2年生になってからは少しずつ巻き返してきた。
2014年には、世界リレー選手権の男子4×100mリレーの一走で出場、5位となった。
今年5月にバハマで行なわれた同選手権でも一走で起用されると、大瀬戸は持ち味であるスタートからの好走を見せ、二走へとつなぐ。アメリカ、ジャマイカに次ぐ堂々3位で、日本は来年のリオデジャネイロ五輪の出場権を獲得した。
実はこのリレーでは、本来は補欠だった。だが怪我人が出たことで急遽起用された経緯がある。その中で見せた走りは、チームを救うものだった。
そして、8月に北京で行なわれる世界選手権代表にも選ばれた。
メンバーの中での争いがある以上、まだ走ると決まっているわけではない。それでも、ここ2年のリレーで見せた走りは、大瀬戸の勝負強さを感じさせるものだった。世界選手権でも、その部分は強みとなる。
何よりも、大舞台を経験することはきっと大瀬戸の財産となるはずだ。
世界リレーなどでも海外のスプリンターとしのぎを削ったが、さらに大きな場での真剣勝負は、今後へのモチベーションとなり、刺激となるからだ。
期待を集めてきた星が、ほんとうの輝きを見せるために。
世界選手権での大瀬戸の爆発を楽しみにしたい。