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2ndステージ7試合ですでに12失点!
ガンバの守備に何が起こったのか。
posted2015/08/21 10:30
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
ガンバ大阪が浮上のキッカケを掴めないでいる。
16日のFC東京戦に1-2で敗れ、これで2ndステージは2勝3分2敗の10位。年間総合順位は4位で首位の浦和とは勝ち点差11に開いた。残り10試合、年間勝点1位を狙うガンバとしては、これ以上星を落とせない厳しい状況になってきている。
目に付くのは失点の多さだ。2ndステージは7試合で12失点、無失点の勝利ゲームがまだひとつもない。1stステージは17試合13失点、現時点でのトータルで24試合25失点。昨年は34試合で31失点しかなかったが、2ndステージの失点ペースを考えると昨年の失点数を大幅に上回りそうな気配だ。
試合内容も、昨年3冠を達成した時のような強さがない。実際、2ndステージに入ってから勝ち切れない試合がつづいている。2節の名古屋戦は2-0から試合を引っ繰り返され、つづく横浜F・マリノス戦も2-0から最終的に後半ロスタイムに中村俊輔のFKで追い付かれた。新潟戦では先制されて一度はひっくり返したものの、すぐに追い付かれた。FC東京戦も先制されたが後半に追い付き、その11分後にカウンターで決勝点を決められた。
3冠達成の要因のひとつは、完成された守備だった。
昨年のガンバ3冠達成の要因のひとつは、間違いなく完成された守備だった。選手全員が高い守備の意識を持ち、なかなか点が取れない状況でもジレずに我慢して守れていた。だからこそセットプレーやワンチャンスで1点を決め、しっかり守って勝つというガンバの新しい勝利のスタイルが完成したのだ。
ところが今シーズンは、守備での綻びが目立つ。FC東京戦、右サイドのクロスから先制点を奪われたシーンでは、ペナルティエリア内の守備の人数は足りていたが米本拓司をフリーにした。2点目のカウンターは、まさに失点するべくして失点したシーンだった。ここでは4つのミスが重なっていたのだ。
まず、相手がカウンターに入った時、ハンドをアピールし、選手の動きが止まった。
次に米本がドリブルを始めた時、宇佐美貴史が追い掛けたが、途中で追うのをやめてしまった。「カード覚悟で止めるべきやった」と試合後に反省していたが、確かにこの場面では、森重真人が宇佐美に対して見せたファール覚悟でも止める、というプレーをすべきだった。