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ビアンキ逝去。セナ以来のF1事故死に
残された者がすべきことを考える。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byAFLO
posted2015/07/25 10:50
フェラーリ・ドライバ・アカデミーを経てマルシャからF1参戦して2年目。全34レースに出走し、最高位は2014年モナコの9位。それが唯一F1で獲得した2ポイントとなった。
「素晴らしい才能を持つ優秀で最高の友人を亡くした」
事故車を撤去するために作業車をコースへ入れる際、セーフティーカーを導入せずとも全区間で減速を義務付ける「バーチャルセーフティカー」というシステムは、ビアンキの事故を受けて今年から導入された新たなレギュレーションである。
レーシングドライバーたちからなる「グランプリドライバーズ協会」は、ビアンキの訃報を受けて、次のような声明を出した。
「F1は素晴らしい才能を持つ優秀で最高の友人を亡くした。
アイルトン・セナとローランド・ラッツェンバーガーの死から21年を経て、私たちはジュールを失った。
これまでF1界が成し遂げてきた多大なる安全性の改善にもかかわらず、こういう事態に直面すると、レースはいまなお危険なものであることを残酷なまでに実感させられる。
それでも、私たちグランプリドライバーには、くじけることなく安全性の改善に努めていく責務がある」
亡くなったビアンキに哀悼の意を捧げるとともに、ビアンキの冥福を祈りつつ、今週末、ハンガリーGPを戦う20人のドライバーたちにもエールを送りたい。