欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
U-21欧州選手権はタレントの見本市。
王者スウェーデンより目立った国は?
text by
浅田真樹Masaki Asada
photograph byAFLO
posted2015/07/07 10:40
20歳にしてU-21代表の中心選手であるポルトガルのベルナルド・シルバは、リオ五輪にも出場権を持っている。日本と対戦したら手強い相手になりそうだ。
五輪は欧州でも重要な大会ではあるが……。
実際、優勝したスウェーデンのエリクソン監督は「スウェーデンにとって五輪出場はとても重要なこと。若い選手にとっては国際経験を積むことにもなるし、サッカー協会にとっては収入増などの経済的効果もある」としたうえで、次のように語る。
「ただし、我々のチームは'92年生まれの選手が多く、(五輪出場資格のある)若い選手は先発メンバーのなかに4人程度しかいない。五輪へ向けてチームはリスタートしなければならず、現段階で多くを語るのは難しい」
具体的に言えば、優勝したスウェーデンは今大会登録選手23人中9人が、また準優勝のポルトガルは同4人が'92年生まれであり、彼らにはリオ五輪の出場資格がない。前述のウィリアム・カルバーリョもこれに含まれる。
日本でもテレビ中継され、リオ五輪予選であることが強調されていた今大会だが、仮に日本がアジア予選を勝ち抜き、リオ五輪に出場したとしても、実際に対戦するときにはまったく違うチームになっている可能性は十分にある。つまり、チームとしての仕上がりやまとまりという点で言えば、今大会に出場したチームより劣る可能性があるということだ。
今大会でせっかくレベルの高い試合を目の当りにした後だけに少々残念な気もするが、それがヨーロッパというサッカー先進地域の五輪に対する考え方だということだろう。