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“世界一の選手”が選んだ効率無視の戦いの果て。
~NBAファイナル、レブロンの矜持~

posted2015/07/07 10:30

 
“世界一の選手”が選んだ効率無視の戦いの果て。~NBAファイナル、レブロンの矜持~<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

得点、アシスト、リバウンドで両チームトップの成績なるも、刀折れ矢尽きたジェイムズ。

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

photograph by

Yukihito Taguchi

「自分は世界一の選手だから、自信がある。それだけのことだ」

 NBAファイナル第5戦後にレブロン・ジェイムズがそう言い切ると、記者たちは思わず顔を見合わせた。ジェイムズが世界一の選手であることに異議を唱える者はほとんどいない。それでも、いつも個人よりチームを強調する彼が、わざわざ「世界一の選手」と口にしたことが珍しく、意外だったのだ。

 もっとも、少し考えればその意図は理解できた。第4戦、第5戦と連敗して優勝への王手をかけられたことで、チームメイトは自信を失いかけていた。シリーズを通して、ジェイムズがいるということだけを支えに戦ってきた彼らを勇気づける必要があったのだ。

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