野球善哉BACK NUMBER
白村明弘と西浦直亨、3度目も神宮で。
高校、六大学、プロと繋がる「因縁」。
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2015/06/04 10:30
2013年ドラフト6位で日本ハムに入団した白村明弘。まずは一軍定着、そして主力への道を歩んでいけるか。
東京六大学リーグで、再びの対戦が。
舞台は東京六大学野球に移る。
西浦が法大へと進み、慶大へ進んだ白村とリーグ戦で対決するようになる。
「大事な場面で、結構打たれている」と語るのは白村だ。実は成績を見ると、4年時は白村が完璧に抑えているのだが、3年秋のリーグ戦で決勝タイムリーを食らった印象が強いのだろう。
西浦も、白村という投手については高校の時ほど脅威ではなかったと語っている。
「抑えられていた印象の方が強いんですけど、高校の時が衝撃的だったから、その時に比べれば歯が立たないという感じはしませんでした。自分も少しは成長できたんかなと、あいつとの対戦から、自分のレベルを再確認することができたかなと思います」
そしてプロ初対決の舞台も、みたび神宮球場。
2014年、2人は大学を卒業してそれぞれがプロへと歩みへと進めた。
プロ1年目の成績は、西浦が14試合に出場して打率.156。開幕戦でいきなり決勝の3点本塁打を放つ華々しいデビューを飾ったが、その後が続かなかった。
一方の白村は、10試合に登板して1Sをマーク。クライマックスシリーズでも登板を果たしているから、白村がやや優勢と言えるかもしれない。
今季の開幕はともに二軍スタートだったが、交流戦という限定された時期に、しかも高校、大学で対決の舞台となった神宮球場で再び相まみえた。どこまで彼らの運命は共鳴しあっているのだろうか。
27日の試合はサードゴロに抑えて白村の勝利。プライベートでも仲が良い2人は、翌日の試合前も話したようだ。
お互いについて、また今後に向けて2人に聞いた。
白村はいう。
「さっき西浦に会ったら、『お前の顔を見たら、むかつくわ~』って言われました(笑)。昨日の試合は、ここを抑えたら引き分けで試合が終わるという状況でしたけど、その相手が西浦だったんで、以前にサヨナラヒットを打たれたことが頭をよぎりました。
それでもストレートでファールをとって、最後はフォークで上手く打ち取れたかなと思います。あいつはこれからも活躍する選手だと思いますので、あいつに負けないように頑張りたいですね。ストレートで押していくのが自分の持ち味。プロはそれだけではやっていけない世界ですけど、それでもストレートで勝負できるような投手を目指していきたい」