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レコードで二冠達成のドゥラメンテ。
陣営が凱旋門賞に慎重な理由とは。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2015/06/01 11:45
ドゥラメンテは一番人気にこたえてダービーレコードでの完勝。騎乗のミルコ・デムーロは馬上で涙を抑えることはできなかった。
M・デムーロ「凱旋門賞もチャンスはある」
春の二冠を制覇したのは'11年オルフェーヴル以来4年ぶり23頭目。二冠を獲ると、三冠獲得を目指すのが普通だ。「三冠馬」の称号には、それだけの価値と重みがある。しかし、3000m以上の長距離レースのステイタス低下にともない、日本の競馬サークルにとって悲願となっている凱旋門賞制覇を陣営が目指しても不思議ではない。
その点に関して訊かれたデムーロは「それはオーナーと調教師が決めることですが、出ればチャンスはあると思う」と答えた。
堀調教師は「個人的には、もっとしっかり完成してからでもいいのでは、という気持ちです」と語った。
史上8頭目の三冠馬と、日本馬初の凱旋門賞馬のどちらを目指すのか。あるいは両方を狙うのか。凱旋門賞は10月4日、菊花賞はそこから中2週の10月25日。国内のレースでも中2週という間隔は厳しいので、どちらかひとつを獲りに行くことになるのだろう。
いずれにしても、同世代6897頭の頂点に立ったスーパーホースは、これからも私たちに、いろいろな夢を見せてくれそうだ。