フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
世界に誇る日本のアイスショー環境。
ウィーバー&ポジェが、観客を絶賛!
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byISU/ISU via Getty Images
posted2015/05/28 10:20
5歳でスケートを始めて6歳からアイスダンスをしているケイトリン・ウィーバー。アンドリュー・ポジェとは2006年からカップルを結成している。
「日本の観客は特別!」
「THE ICE」に招待された唯一のアイスダンスチームである、カナダのケイトリン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェが日本のアイスショーについて電話インタビューにこたえてくれた。まず、日本の観客の前で滑ることがどれほど特別なのかを、ポジェが熱く語る。
「日本の観客は特別! 選手たちに親切なだけでなくて、スケートに対する知識も非常に深い。私たちが何か新しいことを試みると、それをきちんとキャッチして観客席で反応してくれる。これは世界的にみて、とても珍しいことだから」
彼らは1年前の埼玉世界選手権で2位となり、12月にはバルセロナで初のGPファイナルタイトルを手にした。上海の世界選手権でも初優勝が期待されていたが、3位に終わっている。そのときの思いを、ウィーバーはこう口にした。
「がっかりしなかった、と言ったらもちろん嘘になるけど。でも、できることは全てやったので後悔はありません」
昨季のフリーのプログラム「四季」をシェイリーン・ボーンに振付けてもらった当初、ウィーバーはあまりの難しさに「自分にすべりこなせるかどうかわからない」と不安に思ったという。そんなウィーバーが、最高の演技ができたと感じたのが4月に日本の観客の前で滑った国別対抗戦でのことだったという。日本の観客の熱心な応援が、演技の後押しをしてくれたのだそうだ。
「日本の観客は自国のチームだけではなく、どの国の選手にも100%の力で精一杯の応援をしてくれる。私たちにとっては、本当に感動的な体験でした」
アイスダンス界の順位は、長らく変化が無かったが……。
アイスダンスは、長い間「自分の順番が来るのを待たなくてはならない」競技と言われていた。ジャンプのような大きな構成要素で差が出ないぶん、シングルのようなドラマチックな逆転劇が稀で、メダルを手にするには上位の組が引退するのを待つしかない、という不満さえ聞かれた。
バンクーバー五輪以降、バーチュー&モイア(カナダ)とデイビス&ホワイト(米国)という強豪2チームが激しく優勝を競いあう中、他のチームが3位を目指して戦うという構図がソチ五輪まで続いていたのも事実だ。