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「試合は出たい。ベンチにもいたい」
岡崎慎司が代表で買って出た二役目。 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byKyodo News

posted2015/05/18 10:30

「試合は出たい。ベンチにもいたい」岡崎慎司が代表で買って出た二役目。<Number Web> photograph by Kyodo News

大分での代表合宿で、岡崎慎司は特別な存在感を発揮していた。今季もブンデスリーガで得点ランキング上位に名を連ねた岡崎には、ビッグクラブからのオファーも噂されている。

控え組に入った岡崎が張り上げた大声。

 試合翌日の練習では、選手たちは大きく2つの組に分けられる。試合で長い時間プレーした選手たちは、クールダウンを目的としたランニングやストレッチ中心の軽めのメニューをこなし、それ以外の選手は、1時間半ほどのトレーニングでみっちりと汗を流す。

 チュニジア戦で後半27分からの出場にとどまった岡崎は、試合に先発していないグループの練習に元気に加わっていた。

 全体を3つにわけてパス練習をしていたときのことだった。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督とて、全てのグループを同時に見ることは出来ない。

「監督のいないところ、しっかり(やろう)! 厳しく! ちゃんと出来ているかー!?」

 岡崎の声がグラウンドに大きく響き渡った。

サブ組の中に、引っ張る選手がいて欲しい。

 週に1、2回公開されるマインツの練習でも、これほど声を出している岡崎の姿は見たことがない。どうして、岡崎はそこまで声を出していたのだろうか。

「出ていないやつらを盛り上げるのがオレの仕事かなと思ったんです」

 そう話す岡崎は、近年日本代表の大半の試合で先発に名を連ねている。試合翌日の練習では、静かにクールダウンに取り組んでいることがほとんどだ。ただ、岡崎には秘かに考えていることがあった。

「例えば、ブラジルW杯のときの練習でも決してネガティブな雰囲気はなかったんですよ」

 そう前置きしたうえで、こう続けた。

「ただサブの中に、『頑張って行こうよ!』と声をかけたり、引っ張れるような選手がいたらいいなとは思っていたんですよね」

【次ページ】 出てる選手が出ていない選手に気を使うのはよくない。

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