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「僕と一緒に野球をやらないかい」
新庄剛志に巨人軍がかけた電話。
posted2015/05/14 11:00
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Hideki Sugiyama
「でさぁ、新庄君って今、何してるの?」
ふと石橋貴明氏がそう言った。Number877号「日本人メジャーリーガー20年史」に掲載されている石橋氏、佐々木主浩氏、田口壮氏の3人が、メジャーリーグを本音で語る座談会でのことだ。
4月2日に放映されたフジテレビ系『とんねるずのみなさんのおかげでした』の人気コーナー「男気ジャンケン」に、新庄剛志氏が出演。哀川翔、藤井フミヤら錚々たるゲストが揃う中で、長崎県生まれ福岡市育ちの九州男児としてバイクで登場、終始もの凄いインパクトを残した。その時に、いまの新庄氏がどんな生活をしているのか疑問に思ったそうだ。
新庄氏は1990年にドラフト5位で阪神に入団し、1992年に亀山努と亀新フィーバーを起こす。引退騒動を経て、2000年オフにメッツへ移籍する。2004年に日本ハムファイターズに入団し、2006年、日本一を置き土産に引退した。
その数年後、インドネシアのバリ島に移住。絵を描いたり、モトクロスをしたり悠々自適の生活を送る姿がたまにメディアで報じられることはあるが、その実態は謎に包まれていた。
体型も、声のトーンも、現役時代そのままの新庄氏。
実は『とんねるずのみなさんのおかげでした』の収録前日、私たちも新庄氏に会っていた。こちらも、Number877号「日本人メジャーリーガー20年史」のインタビューのためだ。
場所は恵比寿ガーデンプレイスにあるレストラン。スリムな体型も、声のトーンも、現役時代の印象と何ら変わることはない新庄氏がそこにはいた。南国の強烈な陽射しのせいだろか。真っ黒に日焼けした肌が印象的だった。
部屋に入り、旧知のヘアメイクを見つけると、一気に表情が緩む。髪をセットしながら、よく行っていた美容室の話、昔のNumberの話、そしてバリ島での生活の話と次々に色んな話題を語りだす。
そして阪神タイガースの話をしている途中で、新庄氏が「ここから取材。インプットしといてください」と言い、急に取材が始まった。