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「短いイニングを全力」に適性が?
ロッテ・大嶺祐太、復活の場所は。 

text by

氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2015/04/22 10:50

「短いイニングを全力」に適性が?ロッテ・大嶺祐太、復活の場所は。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

同じく千葉ロッテの内野手である大嶺翔太とは実の兄弟。一軍定着を争う形になっていたが、ここへきて兄・祐太が一歩リードか?

「次は先発のチャンスを」と伊東監督は言うが……。

 2006年に横浜からドジャースへ移籍し、オールスタープレイヤーにもなった斎藤隆(楽天)がまさにそうだ。日本では先発投手として活躍したが、2002年以降苦しんでいた斎藤に対して、ドジャースは彼の適性を見抜き、中継ぎのポジションを用意した。結果的に、彼はメジャー有数のクローザーにまで上り詰め、成功を収めたのだ。

 斎藤の成功の裏にあったのは、本人のたゆまぬ努力はもちろんのこと、リリーフという、適性に合った仕事を得たことだった。

 ソフトバンク戦の大嶺のような起用で、復活の兆しを見せた投手は過去にゴマンといるだろう。勝敗に直結しない中での好投は、明るい未来を保証するものとは限らない。ただ、そうした「試験」のような登板のどこかに、その選手が生きる場所がどこかというヒントが隠されているのではないだろうか。

 伊東監督は、試合後の会見で試合前の言葉を翻し、「(大嶺には)次は先発のチャンスを与えたい」と話している。指揮官の言葉がどこまで本音なのかは分からないが、先発ローテーションが3人しか確立していない今のチーム事情に鑑みれば、勢いだけで出た言葉のようには聞こえなかった。大嶺の先発復帰、大いにあり得る。

 だが、どこに配置するかで、運命が変わる。

 大嶺のこの日のピッチングは、復活を印象付けるに十分なものだった。彼には、一軍で戦えるだけの力が確かにある。

 千葉ロッテの首脳陣がどのようなポジションを大嶺に用意するのか。じっくりと見守りたい。

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