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ハリルJ、W杯2次予選は楽勝なのか?
課題は3年後に向けた未来への投資。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byTakuya Sugiyama
posted2015/04/15 11:50
ハリルホジッチは組み合わせの発表を受けて「今の日本代表チームは時折自信や勇気を無くしてしまう時があります」「(過酷なアウェイで戦うことは)我々がさらに大きくなるチャンスなのです」とコメントした。
では、十分に余裕がある試合日程で何をすべきか?
第1シードだけに、試合のスケジュールにめぐまれている。
6月11日の開幕節に試合が組まれると、助走なしで本番で試合に臨まなければならない。しかし、アフガニスタン対シリア、カンボジア対シンガポールが行なわれるその日、日本は横浜でテストマッチを行なうことになっている。
5日後の6月16日に迎える日本にとっての初戦は、アウェイのシンガポール戦だ。ハビエル・アギーレ前監督指揮下の昨年10月に、日本はブラジルとのテストマッチでシンガポールを訪れている。アウェイの環境という意味では、今回の2次予選でもっとも想定しやすいのがシンガポールだ。しかも、直前のカンボジア戦をスカウティングして臨むことができる。
今年2月にはU-22日本代表がシンガポールへ遠征しており、同チームの手倉森誠監督は日本代表のコーチを兼任する。練習場の環境もほぼ把握できており、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が望む緻密な準備ができるだろう。
ハリルホジッチ監督の最優先課題はU-22世代の強化!?
首位通過のライバルを探すなら、第2シードのシリアになる。
直近の顔合わせは2011年1月のアジアカップで、2-1のクロスゲームを演じた。とはいえ、内政不安の影響を受けて、このところのテストマッチはすべてアウェイで消化してきた。かつては欧州から名の通った監督を招くこともあったが、'11年5月以降は自国の監督が代表を率いている。代表チームの強化が順調に進んでいるとは考えにくく、2次予選のホームゲームが第三国での開催となる可能性も否定できない。
シリアとのファーストコンタクトは、10月8日の第5節だ。どちらにとっても4試合目で、それ以前に消化する試合をしっかりと分析することができる。足元をすくわれることはないだろう。というよりも、すくわれることがあってはいけない。
ハリルホジッチ監督には、U-22世代の強化を意識してほしい。
チームのフレームをしっかりとしたものとするためにも、主力選手を招集していくのは当然である。3月の立ち上げ時と同じように、2次予選の期間はまとまった時間を過ごすことができる。チーム戦術を落とし込むことができる時間は、活動の限られる日本代表には貴重だ。
そのうえで、新たな人材をテストしていってほしいのだ。