フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
日本人のカップル競技の未来は?
国別対抗戦で注目のペアとダンス。
posted2015/04/15 11:00
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Sunao Noto/JMPA
4月16日から、国立代々木競技場で国別対抗戦が始まる。3月31日に事前会見が行なわれ、日本スケート連盟から羽生結弦、無良崇人、宮原知子、村上佳菜子らが出場することが発表された。
そんな中で驚きの発表があった。ソチ五輪代表だった高橋成美&木原龍一のペアが解散したというニュースである。伊東秀仁フィギュア委員長は「詳細はわからない」と多くを語らなかった。だがその日のうちに、2人のオフィシャルサイトに高橋のこういうメッセージが書き込まれていた。
「私は次のオリンピックを目指して、2人で頑張っていくつもりでしたが、数週間前、龍一から『解散したい』と話がありました」
これにより、解散は木原のほうから申し出たことがわかった。2013年1月の結成から、2年間で競技活動を終えたことになる。
衝撃的だった高橋&木原ペアの解散。
ペア初体験だった木原にとって、世界選手権のメダルも手にしたことのある高橋の新パートナーになったのは、彼女の経験が頼りになる反面、プレッシャーも半端ではなかっただろう。「日本の後輩の男の子たちにペアの楽しさを伝えたいですか」と何度か聞いてみたことがあるが、木原はそのたびに苦笑しながら「いやあ、ペアってしんどいんですよ」と答えた。
解散のニュースを最初に耳にしたときは、木原がやはり自分はペアには向いていないと決断をくだしたのか、と咄嗟に思った。だが2人ともそれぞれ、新たなパートナーを募集すると聞いて、正直少し意外ではあった。木原が日本代表としてペアを続けていくのなら、現在のところ高橋以上のパートナーが見つかるとは考えにくい。
だがパートナーシップには様々な要素があり、相性の善し悪しは本人たちにしか決められないものだ。海外でもとても良い相性に見え、期待されていたペアが電撃的に解散、というのは少しも珍しいことではない。