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日本人のカップル競技の未来は?
国別対抗戦で注目のペアとダンス。 

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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photograph bySunao Noto/JMPA

posted2015/04/15 11:00

日本人のカップル競技の未来は?国別対抗戦で注目のペアとダンス。<Number Web> photograph by Sunao Noto/JMPA

ソチ五輪での高橋&木原ペア。ふたりの公式サイトで、高橋は「ペアスケートに出会えた事で自分の人生は変わりました。また、そのきっかけを与えてくれた高橋成美選手に本当に感謝しています」と綴っている。

ソチ五輪の団体競技で大きな貢献をしたはずが……。

 上海世界選手権ではSPで19位に終わり、フリー進出を逃したのが2人の最後の試合となった。「これが現実。考え直す時間が必要」と呆然とした様子で口にした高橋。一方木原は、「実力のなさが点数に出た。もっと技術力をつけられるようにしたい」とコメントした。このとき2人の心の中には、それぞれ複雑な思いがあったのに違いない。

 結成わずか1年でソチ五輪に出場するという不可能をやってのけ、彼らのおかげで日本チームは団体競技で4種目揃って戦うことができた。そのことだけでも、彼らが日本のスケート界に与えた貢献はとても大きかった。

 解散したことは残念だが、それぞれがパートナーを探してペアが2組に増えるのなら、それは日本にとって1つの希望の光となる。

 国別対抗戦には、ジュニアの古賀亜美&フランシス・ブードロ・オデが初出場する。16歳と21歳の彼らの今後の成長にも期待したい。

日本人がカップル競技に向いていないというのは本当か?

 それにしても、シングルでは世界のトップクラスに君臨してきた日本において、ペアとアイスダンスがなかなか強化されていかないのはなぜなのか。これは何度も繰り返されてきた疑問である。

 もっともよく耳にする理由は、日本人はそもそもカップル競技が苦手なのだ、というもの。だがこれは、真実とは思えない。

 その理由は、社交ダンスなどにおいて日本は決して後進国ではないからだ。'90年代には周防正行監督の映画「Shall we ダンス?」が大ヒットし、現在の日本は社交ダンスの競技人口はおよそ160万人と、実は世界一多いと聞く。またアルゼンチン・タンゴにおいては、サロン部門で世界チャンピオンも出している。

 だが確かに氷上においては、これまで日本のペアとアイスダンスは苦戦してきた。国際的に競うレベルに到達する前に、競技人口がなかなか増えていかないのである。

【次ページ】 日本国内のカップル競技の知られざる実情。

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