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世界の女子フィギュア界は次世代へ。
新女王の3アクセルと宮原の銀メダル。 

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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photograph byISU/ISU via Getty Images

posted2015/04/02 16:30

世界の女子フィギュア界は次世代へ。新女王の3アクセルと宮原の銀メダル。<Number Web> photograph by ISU/ISU via Getty Images

世界選手権の表彰台。左から、銀メダルの宮原知子、金メダルのエリザベータ・トゥクタミシェワ、銅メダルのエレナ・ラジオノワ。1年前のソチ五輪とはまったく異なる顔ぶれとなった。

ついに女子にも3アクセルの時代が来るのか?

 今シーズン、試合数を増やすことによって試合勘を取り戻し、自信をつけたというトゥクタミシェワだが、GPファイナル、欧州選手権、そして世界選手権と大きなタイトルをすべて独占。彼女の一人勝ちがこのまま続いていけば、他の女子も3アクセルの練習に取り組まざるを得ないだろう。長い間、浅田真央のみが挑戦してきた女子の3アクセルに、新たな流れがはじまりそうだ。

日本フィギュア界の新女王、宮原知子が銀。

 17歳の宮原知子は、SPとフリーの両方で自己ベストスコアを更新した。SPは3位のスタートだった。ティーネイジャーたちの中に混じっても147センチの彼女は、とりわけ小柄に見える。だがジャンプの着氷時のぴたりとした体の開き方、スピンの軸の細さなど、その技術の高さは見ていて小気味よい。

 フリーで3ルッツの着氷でバランスを崩したのが、本大会全体を通してのミスらしいミスだった。フリー4位だったが、SP2位だったラジオノワが調子を崩してフリー6位となり、逆転して銀メダルを手にした。

「これからが本当のスタートだと思っています。これからまた長い競技生活が待っているので、頑張っていきたい」と宮原は会見で語った。

共に健闘した、本郷理華6位、村上佳菜子7位。

 初出場の18歳、本郷理華はSP、フリーとも5位で総合6位と健闘した。本人は緊張したというが、SPとフリー通してジャンプミスがなく驚くほど安定した演技だった。

「大きなミスなくジャンプを降りられたのは良かった。でもまだまだ上の選手がいる。もっと上を目指さなくてはいけない」と試合後にコメントした。

 村上佳菜子はSP4位、フリー8位で総合7位。「すごく落ち着いて滑れました。大量の『くの字』(回転不足のマーク)から逃れられて成長したと思う」と苦笑い。全日本選手権のフリーでは5つつけられた回転不足のマークも、上海では3ループの1つのみ。5年連続となる世界選手権で、「楽しかった」と締めくくった。

【次ページ】 日本女子は健闘し、男子は不調だったが……。

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