フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
世界の女子フィギュア界は次世代へ。
新女王の3アクセルと宮原の銀メダル。
posted2015/04/02 16:30
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
ISU/ISU via Getty Images
上海世界選手権、新メダリスト3人が誕生した。新しい女王は、ロシアのエリザベータ・トゥクタミシェワ。宮原知子が2位と健闘して初出場で銀メダルを獲得。そして3位は16歳のエレナ・ラジオノワだった。
18歳、17歳、16歳とティーネイジャーたちが表彰台に並んだ。
史上6人目。3アクセルを成功させたトゥクタミシェワ。
上海世界選手権は、歴史に刻まれる大会となった。
エリザベータ・トゥクタミシェワが、SPの冒頭で3アクセルを成功させたのである。
過去に試合で3アクセルを成功させた女子は、伊藤みどり、トーニャ・ハーディング、リュドミラ・ネリディナ、中野友加里、そして浅田真央の5人。トゥクタミシェワは史上6番目となった。タイトル保持者であった浅田真央不在のこの大会で、これほど完璧な女子の3アクセルを見ることができるとは予想していなかった。
わずか3大会目の挑戦で3アクセルに成功。
もっともトゥクタミシェワは2月と3月初頭の2度、このジャンプをすでに小さな大会で試している。1度目は転倒、2回目では成功したが、他のジャンプで失敗した。そして3度目となるこの上海世界選手権で、みごと成功させ、残りのエレメンツも全て降りて史上3番目に高いSPスコアを手にした。
ジュニアの頃は練習で降りていたというこのジャンプだが、シニアに上がってからしばらく封印し、再開したのは今年の1月だったという。「練習では50%の確率だった」というが、スピード、高さといい申し分のないみごとな3アクセルだった。
「SPで3アクセルをやるのはリスクが伴う。でもフィギュアスケートは進化していかなくてはならない。男子は4回転を3度入れてくる選手もいる。女子も前進していかなくては」
フリーでは3アクセルに挑まなかったものの、ほぼノーミスで初タイトルを手にしたトゥクタミシェワは、会見で通訳を通してそう語った。