ベトナム戦翌日、南野はチームを離れた。

　だが、欧州で挑戦を始めたばかりの南野にとって、今回の1次予選は大きな糧になったようだ。

「今回、涼しいところから暑いところにやってきて、短い時間でどこまでコンディションをもっていくことができるのかを知ることができた。それは初めてだったので、すごくいい経験になりました。これから移動してすぐチームで試合がありますけど、そういうハードなところにも慣れていかないといけない。A代表の海外組の選手は、みんなそうしていますから」

　ベトナム戦翌日の早朝、南野はチームを離れた。すでに海外組としての自覚は十分に持っている。違いを見せられる特別な選手になるには、プレーの精度を高め、クラブでレギュラーを獲得し、結果を出していくしかない。自身がA代表でプレーすることを望むのであれば、なおのこと周囲を納得させる結果が必要になる。それが出来れば手倉森監督が求める「海外組」になれるだろう。南野にとっては、これから自らの存在意義を証明していく厳しい戦いがつづいていく。