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<なでしこのDFリーダーとして> 岩清水梓 「怖さを、強さに変えて」 

text by

藤島大

藤島大Dai Fujishima

PROFILE

photograph byTaiji Yamazaki

posted2015/03/28 11:50

<なでしこのDFリーダーとして> 岩清水梓 「怖さを、強さに変えて」<Number Web> photograph by Taiji Yamazaki

戦わずして勝てるポジションと、カンの働く状況を。

――岩清水梓は図太い。失礼ですか? 

「ありがとうございます。サッカーでは誉め言葉ですから」

――ピンチとチャンスに動じない。

「考えてプレーするより先に体が動いている場合がほとんどですからね。ここでシュートを打ってくる、という予測には神経を研ぎ澄ましていますけど」

――読みと本能のバランス……。

「自分は体(162cm、53kg)も大きくないし足も速くない。だからまず戦わずして勝てるポジションを取る。相手がパスを入れづらいところ。裏に走らせないコース。その上でここという時に勝手に体が動いている。奪う瞬間は攻撃的なカン。いかにカンの働く状況をつくるかを考えます」

W杯決勝の米国戦、あの反則の瞬間に何を考えたか?

――W杯決勝の米国戦のファウルで図太さを確信しました。

「あの場面はいつものように読んでポジションを取りました。練習もしていた。あとから映像を見ると(抜けてきた)モーガン選手が少しかわしている。そこだけ予測と違いました。真っ直ぐペナルティー(エリア)に入ってくると思っていたので、こういうふうに(と軽くアクションしながら)脚を出して膝の裏で止めるつもりでした」

――反則を意図したわけではない。

「はい。ただペナルティーの中で(ボールを)取る自信はなかった。最悪ファウルでも奪うならここかなと」

――審判の笛が鳴る。相手は怒る。退場を告げられる。心境は?

「人生でレッドカードを初めて見たんですよ。それまでイエロー2枚もなかったので。ピッチにいてはいけない、というルールも知らなかった。そこだけ動揺しましたね。なんとか自分の与えたFKだけは見せてくれとオフィシャルに頼みましたけど」

【次ページ】 開始10分で猛攻にさらされたことで、冷静になれた。

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