フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
日本勢、男子金銅、女子銅の世界Jr.。
次世代フィギュア界が見えてきた!
posted2015/03/10 12:00
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Dave Carmichael/AFLO
3月2日から8日までエストニアのタリンで開催された世界ジュニア選手権で、日本は男子の金と銅メダル、女子は銅メダルと合計3個のメダルを獲得した。
昨年12月にジュニアGPファイナルのタイトルを手にし、全日本選手権ではベテラン勢を押しのけて2位となった17歳の宇野昌磨。4度目の挑戦となる今シーズンの世界ジュニア選手権で、みごとに金メダルを手にした。
SPではほぼ完璧な滑りを見せて、84.87を獲得。本人にとっては2月の四大陸選手権で出した88.90のほうがポイントが高いが、ジュニアの国際試合では史上初の80点台だった。
フリーでは冒頭で予定していた4回転が3回転になったものの、残りはほとんどノーミスで滑りきり、体全体を使って音楽を伸びやかに表現した。フリーは2位だったが総合でトップを保った。
今シーズン8試合に挑戦した宇野にとって、ここでの勝利は5度目の金メダル。ジュニアとシニアではプログラムの長さも違い、1シーズン中に両方に出場するのは楽ではなかっただろう。プレッシャーに負けることなく、ジュニアでもっとも大きなタイトルをものにした。
SP7位から総合3位へ挽回した山本草太。
SPでは3アクセルの回転が足らずに7位スタートだった15歳の山本草太は、フリーでは2度の3アクセルを完璧に降りて、銅メダルを手にした。4回転こそまだないものの、ジャンプの軸がきれいで、体が出来上がっていくこれからの成長が楽しみな選手だ。
フリーでは中国の17歳、ボーヤン・ジンが4回転を3度成功させて1位。SP5位から総合2位となった。4位は、昨年度のこの試合で銅メダルを手にした米国のネイサン・チェン。SP2位だったロシアのアディアン・ピトキーヴ、SP3位だったアレクサンドル・ペトロフはフリーでミスが出て、それぞれ5位、6位に終わった。
興味深いことに、男子はアジア系の選手がトップ4位を占めるという結果となった。