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南野拓実「残された時間は多くない」
視線はすでにザルツブルクの「次」へ。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2015/02/20 10:40
リオ五輪を目指す五輪代表チームのエースでありながら、ブラジルW杯でも予備登録メンバーだった20歳の南野拓実。ザルツブルクをステップアップの場にできるか。
実力を発揮する、という簡単ではないこと。
南野のデビュー戦は、あまりに平凡に終わってしまった。それでも、謙虚すぎる言葉を吐くのでもなければ、悲嘆にくれるわけでもない。彼はしっかりこれからを見すえている。
あとは、ピッチの上で、自分の持っているものをしっかり出せるかどうかだ。
2月19日に再開するヨーロッパリーグのビジャレアルとのアウェーゲームについて「自分が今まで対戦したなかで一番強い相手じゃないか」と話していたものの、内転筋の負傷のためにビジャレアルへの遠征に帯同しないことが決まった。まずは、怪我が癒えるのを待つしかない。
自分の実力を発揮すること――。
それは簡単なようで、簡単ではない。実際、それが出来ないままヨーロッパから日本へ戻っていった選手も少なくない。その多くがチームに加わってから間もない時期に苦しんだパターンだ。
出だしでつまずいてしまうと、本来の自分のプレーを思い出せないまま、周りの選手からも理解されずに時間が過ぎてしまうことがよくあるのだ。
だからこそ、残された時間は決して長くはない。主力選手が2人も抜けて、チームは苦しい戦いを強いられるかもしれない。しかしそんな状況は、彼らに代わって新たにチャンスを与えられる選手が出てくるということでもある。ピンチのようで、チャンスでもあるのだ。
果たして、この状況を南野は好機に変えることが出来るだろうか。