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南野拓実「残された時間は多くない」
視線はすでにザルツブルクの「次」へ。
posted2015/02/20 10:40
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
AFLO
大きな一歩というよりも、慎重に片足を踏み出したとでも言うべきデビュー戦となった。
2月14日、ヴァレンタインデーの夜に南野拓実はオーストリア1部でデビューを果たした。最下位のウィーナー・ノイシュタットを相手に右MFとして先発すると、時に応じて左MFのマッシモとポジションを替えながら、後半19分までプレーした。
デビュー戦について、南野はこう振り返っている。
「あまり効果的に攻撃にかかわれていなかったと思います。フィニッシュのところでシュートを打てていないし。チームのやることに追われたという感じもあった。それをやりつつも、もっとゴール前などの危険なポジションに顔を出したい。今日もパスがくれば……と思うところは何回かあったので。そういうところで、味方と上手くコミュニケーションをとってやっていければいいかなと思います」
ザルツブルクは、最下位のチームを相手にボールを支配し、多くのシュートを放ったものの、ラストパスやシュートなど、フィニッシュの場面でのプレーの精度は低く、どうにか2点をとって勝利を手にしたに過ぎない。監督は攻守の素早い切り替えを求めており、南野もチームの守備に移るときには手を抜かずに自陣に戻り、相手にプレッシャーをかけていた。
しかし、攻撃的な選手として相手に怖さを与えられたわけではない。シュートは1本も打つことなく、ベンチに下がることになった。
2人の主力を移籍で失ったザルツブルク。
もちろん、そこにはいくつかのエクスキューズがある。
まず、2人の主力選手がこの冬にチームを去り、チームは新たな形を模索している最中なのだ。
ザルツブルクで過去に129試合に出場して、93ゴール、38アシストを記録したストライカーのアランが広州恒大へ、同じく109試合に出場して、29ゴール、54アシストを記録したカンプルがドルトムントへと移籍したのだ。