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なぜ錦織圭の目に濃い“くま”が?
3連覇の陰で進んでいた「強化計画」。
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph byAFLO
posted2015/02/17 11:20
インタビュアーにも、観客にも3連覇を祝福される錦織圭。調整と大会での結果、メンフィスの地で得た2つのアドバンテージは、メジャーに挑む大きな足がかりとなる。
賭けに勝ち、今後は状態が上向く確信が。
テニス選手はオフに集中的にトレーニングを行なうが、それだけでは連戦で体力が目減りする。そこで大会の合間に、あるいは大会に出ながら高い強度でトレーニングを行なうことで目減りを食い止め、逆に上積みをはかる場合がある。「チーム錦織」はその戦略をとったのだろう。3月の北米での「マスターズ1000」2大会、さらに欧州でのクレーコートシーズンをにらんでの、中・長期的な戦略である。
彼とそのチームにとって、これはおそらくひとつの賭けだった。実際、トレーニングの疲労が試合での疲労と重なり、錦織の体の動きを鈍くした。だが、それを見越して「追い込んだ」のは、彼のフィジカルの土台が上がっているという確信があったからだろう。また、この大きな負荷を乗り越えればより強くなれるとわかっていたからだろう。
無事に4試合を戦い抜き、優勝。錦織とそのチームは、この大会で2つの勝利を手にしたと言える。