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四大陸フィギュアは若手に注目!
10代の宇野昌磨と宮原知子が挑戦。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byYohei Osada/AFLO SPORT
posted2015/02/12 10:50
負けん気の強い宇野昌磨の、羽生結弦に次いで総合2位となった全日本選手権でのひとコマ。名古屋市出身で昨年12月に17歳になったばかりだが、四大陸フィギュアに向けて「全然緊張する要素がない」と驚くべき強心臓のコメント。
悔しさをばねに、がむしゃらに練習をした宇野。
バルセロナで宇野は、優勝翌日の取材でこのように口にした。
「今までスケートをやってきた中で、一番練習してきました」
そのきっかけとなったのが、大会こそ優勝はしたものの、ジャンプのミスが重なってフリーでは2位になっていた全日本ジュニア選手権での悔しさだったという。
「全日本ジュニアが終わって思ったことは、『ああすれば良かった、こうすれば良かった』という後悔は二度としたくない、ということでした。だから、倒れるぐらい練習すれば後悔しないかと思って、がむしゃらに練習してきた。これまでとは比べ物にならないくらい、練習量が増えました」
悔しい思いをバネにして成長する、というのは競技アスリートには欠かせない資質の1つである。しっかりした基礎技術と、本番での度胸、そしてトップに行くために必要なファイティングスピリットと、すべてを兼ね備えている宇野。全日本選手権では、SP、フリーとも3位と安定した演技で堂々総合2位になった。
現在身長159センチとまだ少年体型だが、もう少し体が出来上がってくればもっと動きも大きく見え、よりシニアらしい重量感が加わってくるだろう。
16歳のナム・グエンは、宇野のライバルに。
その宇野の良いライバルになりそうなのが、16歳の世界ジュニアチャンピオン、カナダのナム・グエンである。
彼も昨夏、4回転サルコウを着氷するようになったばかり。その秋にはシニアGP大会初戦のスケートアメリカでも見事に成功させて、3位に食い込むという勝負強さを見せた。これから先、宇野とともに世界の男子を牽引していく選手に成長するだろうと期待されている。
一方ソチ五輪銅メダリストのデニス・テン、全米チャンピオンのジェイソン・ブラウン、5年前にこの大会で優勝しているアダム・リッポンらベテラン勢も出場する。こうした大舞台を踏んできた選手に混ざって、若手たちがどのような戦いぶりを見せてくれるのか、面白い展開が期待できそうだ。