岩渕健輔、ラグビーW杯と東京五輪のためにBACK NUMBER
ラグビー協会GM・岩渕健輔が語る。
「世界の頂点を目指す『必要』がある」
text by
岩渕健輔Kensuke Iwabuchi
photograph byWataru Sato
posted2015/01/30 10:40
自身も元日本代表であり、日本人初のイングランド・プレミアシップ入りを果たしている岩渕健輔氏。39歳の若さで日本代表GMの重責を担っている。
世界トップ10という中間目標を、昨年前倒しで達成。
しかし私は強い手応えを感じていますし、実際に著しい成果も出始めています。
世界の頂点を目指していくためのステップとして、私たちはまず、2015年中に世界のトップ10に入るという目標を立てていました。この目標は昨年前倒しで達成され、すでに上方修正されています。
一昨年の2013年、日本代表は前回のW杯でベスト4に入った強豪のウェールズを相手に、史上初となる勝利を達成。また同年から昨年にかけては、テストマッチで11連勝を記録し、ワールドラグビー(旧IRB・国際ラグビー評議会)のランキングで世界9位(2015年1月現在は11位)にまでポジションを上げました。これも過去最高の順位です。
同時に、2016年からは「スーパーラグビー」と呼ばれる大会に日本のチームが公式参戦することも正式に決定しました。スーパーラグビーは、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカの強豪3カ国で、特別に編成されたチームが争う大会で、サッカーで言えばチャンピオンズリーグの決勝トーナメントに相当するようなトップレベルの大会です。日本ラグビーにとって、大きな転換点になるのは間違いありません。
とはいえ、これらの成果は代表を強化していく上での「通過点」に過ぎませんし、世界の頂点を目指すための努力と進化は、今後さらに密度が濃く、ペースの早いものにしていかなければなりません。やはりそこで最終的に問われるのは、本気で世界で戦っていこうとする「覚悟」を持てるかどうかなのです。
代表強化の仕事は他にも多岐に渡りますし、一般にはあまり知られていない内容もあります。読者の皆さんにとって興味深いテーマも多いと思いますので、私が日本代表をいかにして世界一に押し上げようとしているか、という具体的な話については、本コラムで順次、紹介していければと考えております。どうぞ宜しくお願い致します!
(取材・構成:田邊雅之)