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昨季は復活、今季は1億円のために。
中日・大島洋平の「最重要時期」とは?
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byNanae Suzuki
posted2015/01/07 10:40
大学、社会人を経てのプロ入りだったため、実はプロ6年目の大島洋平。現在29歳、30歳での1億円到達は達成できるか。
2013年を終え、左ひじの手術に踏み切った。
'13年は不甲斐ない成績に終わり、シーズン終了直後に左ひじの手術に踏み切った。だからか、年明けから始まる自主トレで大島は、自分の状態と冷静に向き合いながら、こんなコメントを残していた。
「ひじの調子はめちゃめちゃいいわけではないけれど、手術から3カ月経っているんでやれている感じはしています。でも、まだ寒い時期なんでガンガン練習はできないから、今は確認しながらやっていこうと思います」
実際のところ、不振の1年を過ごし手術までした選手が、この言葉通りに行動するのは難しい。自分では「じっくり調整しながら」と思っていても、故障した箇所の回復度合が想像以上によければ、無意識のうちにハードワークをしてしまうものなのだ。
大島の場合は、例年「この時期が一番大事だ」と自分に言い聞かせているだけに、勇み足を抑制することができた。
慎重に、慎重に――。
本格的な自主トレに入る前は、マシン相手にスイングの感触を確かめる。真ん中付近のボールに対しては違和感なくバットが振れている。ただ、ひじに負担がかかる外角のボールは若干痛みを覚えるから無理をして打たないほうがいい――。そんな具合に自分の体と対話を続けた。
守備でも同様に慎重だった。
遠投では70mほど投げられるから、7~8割程度は回復してきている。ならば、徐々に低く強い送球を意識しながら、ノックの数を増やしていこう。だが、自主トレの期間はまだ寒い。じっくりと焦らずに――。自問自答を繰り返しながら、大島はひじを完治させていったわけだ。
慎重に、慎重に。そんな感情を込めた大島の言葉が蘇る。
「リハビリが終わる時期は自分でも分からないし、聞かれても困りますね。でも、キャンプは初日から入るつもりでいますし、そこでごまかしながらするんじゃなくて、いつも通り、普通に野球ができるかを考えながら自主トレをやっていきたいです」