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歴史的名牝、ラストランの有馬を制す!
流れが全てジェンティルに向いた理由。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byYuji Takahashi

posted2014/12/29 12:00

歴史的名牝、ラストランの有馬を制す!流れが全てジェンティルに向いた理由。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

父・ディープインパクト、母・ドナブリーニ(母の父ベルトリーニ)の血はジェンティルドンナの次世代へ。早ければ2018年にも産駒がデビュー予定だ。

「勝つための条件がすべて揃った」

 という管理調教師の言葉どおり、競馬史に残る名牝が、枠順、スローな流れ、例年より傷みの少ない馬場、好相性の鞍上……など、すべてを味方にして栄冠をつかんだ。

 12月28日、11万5878人の観衆を集めて行われた第59回有馬記念を制したのは、これがラストランとなった4番人気のジェンティルドンナ(牝5歳、父ディープインパクト、栗東・石坂正厩舎)だった。

枠順抽選会で最初に選んだ“4番枠”。

 ハナを切ったのは戦前の予想どおりヴィルシーナだった。

「遅くもなく、速くもない、ちょうどいいペースだった。そのなかでよく我慢してくれた」と言う川田将雅が乗る2番人気のエピファネイアが2番手。

 4番枠から出た戸崎圭太のジェンティルドンナは、エピファネイアを2馬身ほど前に見る3番手につけた。

「位置取りは思いどおりだった。前に壁をつくれず、少し気負うところもあったが、よく我慢して、いいリズムで走ってくれました」と戸崎。この4番枠は、木曜日に行われた枠順抽選会で最初に引く権利を得て、石坂調教師が選んだ絶好枠であった。

 ほかの有力馬はというと、1番人気のゴールドシップは中団、3番人気のジャスタウェイは後方3、4番手に控えている。

 出走馬16頭がスタンド前を通過し、1コーナーを回って行く。

「最後の切れ味勝負になるから、よかった」

 1000m通過は63秒0というスローペース。3レース前に同距離、同コースで行なわれた1000万下のグッドラックハンデキャップのそれが60秒8だから、2秒以上遅い。下級条件の特別レースより10馬身以上後ろにGIホース10頭を含むオープン馬がひしめいていたことになるのだから、かなり特殊な流れだったと言っていい。

 ジェンティルドンナの石坂調教師は「最後の切れ味勝負になるから、よかった」とこの流れを歓迎していた。

 それに対し、ゴールドシップに騎乗した岩田康誠は、「流れが遅かったので、結果的には、1周目の4コーナーで押し上げていけばよかった」と振り返り、自分の競馬に徹したジャスタウェイの福永祐一も、「流れが向かなかった」と悔しがった。

【次ページ】 ジェンティルドンナの末脚は最後まで衰えず。

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