沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
将来のウオッカ、ブエナビスタを探せ。
阪神JFを解くカギは“スケール感”。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKazuo Kamite
posted2014/12/13 08:00
3戦2勝2着1回と全く底を見せていないショウナンアデラ。8月3日の新馬戦では敗れるも上がり33秒5を記録するなど、父譲りの末脚も魅力的だ。
出走馬唯一のディープ産駒も、スケールが大きい。
出走馬中唯一のディープインパクト産駒であるショウナンアデラ(美浦・二ノ宮敬宇厩舎)も、伸びしろの大きさでは負けていない。
未勝利戦と前走のからまつ賞を連勝。二ノ宮調教師によると、「前走までは目一杯に調教をしたこともなければ、レースでも目一杯には走っていなかった」とのこと。にもかかわらず、どちらも勝ちっぷりには余裕があった。体がしっかりして、強い調教をこなし、力一杯走ることができるようになればどんなパフォーマンスを見せてくれるのだろう。「先物買い」してもいいタイプなのかもしれない。
牡馬混合の札幌2歳ステークスで3着となり、前走のアルテミスステークスでココロノアイに鼻差だけ届かぬ2着となったレッツゴードンキ(父キングカメハメハ、栗東・梅田智之厩舎)も底力を感じさせる。
昨年の勝ち馬レッドリヴェールは、札幌2歳ステークスを勝って以来の休み明けでここを制した。札幌での着順もローテーションも異なるが、牡馬相手に善戦できる心身の強さが大きな武器であることは間違いない。
超良血のコートシャルマン、阪神外回りはプラス材料。
新馬、りんどう賞と2戦2勝のコートシャルマン(父ハーツクライ、栗東・松永幹夫厩舎)も不気味だ。半兄に2012年の安田記念を勝ったストロングリターン、半姉に'13年の桜花賞2着馬レッドオーヴァルがいる超良血。1週前追い切りではCウッドコースで併せた相手を突き放し、本追い切りでは坂路で好時計を叩き出した。2カ月ぶりの実戦となることは、むしろフレッシュな状態で出られるというプラス材料と見てよさそうだ。また、1400mしか経験がないとはいえ、末脚爆発型なので、距離が延びることも、直線の長いコースに替わることも歓迎だろう。
そのコートシャルマンにりんどう賞で首差の2着に迫り、前走のファンタジーステークスでも2着だったダノングラシアスもそこそこ来そうだし、10分の6の抽選をくぐり抜けた大型良血牝馬ロカも一発ありそうだ。