ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
男子ゴルフ界、30代の逆襲が始まる。
岩田寛、竹谷佳孝が“捨てた”モノ。
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byAFLO
posted2014/11/12 10:40
今年のマスターズ覇者バッバ・ワトソンらと最後まで争い、HSBCチャンピオンズで3位となった岩田寛。目標の米ツアーが見えてきた。
2014年度のツアーは、30代が優勝者の約半分。
昨日を捨てて自分と戦う岩田、恥を捨てて真摯にゴルフと向き合ってきた竹谷。2人は30代にして初優勝を掴んだが、佳境を迎えた今年の賞金レースの主役にも、今年は同世代が多い。ここ数年は20代の若手、40代のベテラン、韓国人選手の強さが目立っていたが、'14年度のツアー優勝者は、ここまで小田孔明に代表される30代の選手が約半分を占めている。
故障を経験した近藤共弘や谷原秀人は、かつて勢い盛んだった頃とはスイングも変わり、スタイルもショートゲーム巧者に変貌しつつある。岩田と東北福祉大で同級生だった宮里優作は、「もう自分にはこれしか残されていない」とメンタルコーチの指導を仰いで殻を破った。
若手ほど劇的に何かを変える時間はない。ベテランほど、燃え尽きるまでの時間が限られているわけではない。生活基盤は十分に確立され「今のままでもいい」と、自分を甘やかすこともできるミドルエイジ。
30代の逆襲は、そんな甘えを許さずに何かを捨て、自らにムチを打てる意志があってのものだ。
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