オリンピックへの道BACK NUMBER
フィギュア界に現れた13歳の新星。
本田真凜はまっすぐ平昌を目指す。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byShino Seki
posted2014/10/12 10:40
中学1年生ながら日本スケート連盟の強化選手にも選ばれている本田真凜。「五輪の前年の6月30日に15歳」という五輪出場資格も平昌ではクリアしている。
太一、望結という兄妹とも切磋琢磨。
思い出すのは昨年4月、東京・代々木第一体育館で行なわれた世界国別対抗戦のエキシビションだ。冒頭のノックをするしぐさに始まり、フェンスにもたれるエンディングが印象的だったプログラムを演じた小学6年生の本田は、まさに「魅せる」気持ちにあふれていた。
「(最初のしぐさは)会場に入っているところで、ダンスやパーティーがあって、最後は席を探して座るという流れだったんです。大勢のお客さん? ぜんぜん緊張しないです。楽しんでもらえたらっていう思いで滑っています」
兄と2人の妹もフィギュアスケートをしている。兄の太一は今シーズン、ジュニアグランプリを転戦してきた。妹の望結は女優としても活躍している。
「望結は『真凜のこと、憧れている』って言ってくれていて。嬉しいけど、憧れてくれているなら、望結よりもっと上の選手でないといけないと思うので頑張っていきたいと思いますし、逆に望結の表現力に憧れています。女優さんとしてレッスンとか表現の部分で頑張っているのが伝わってくるので、追いつけるように頑張りたいです」
「太一は小さい時から一緒にやっていて、追いつけるように頑張ってきました。練習でも、いつも対決とかしているんです」
兄妹であるとともに、切磋琢磨しながら励んできた。
週に1日のオフにも、自主練習でリンクにあがる。
だが、懸命に取り組む根本にあるのはやはり、フィギュアスケートへの思いだ。
「魅力と言えば、もう全部が魅力です。新しいジャンプが跳べるようになったときや試合でノーミスだったりしたら楽しいし、すごいうれしい。とにかく楽しいんです」
どれだけ楽しくて魅力を感じているのかは、次のエピソードにも表れている。
本田は週に1日、オフの日を設けていると言う。でも実際のオフは3週間に一度ほど。自主練習でリンクに上がるからだ。
「小さい時からずっとやっているので、スケートをしていないのは全然考えられないし、氷に乗っていないと、何か落ち着かないんです。やっぱりスケートが好きなので、もっと練習を増やしていきたいし、ジャンプも表現もすごい頑張っています」