MLB東奔西走BACK NUMBER
14年連続200イニング登板の偉業。
マーク・バーリーの静かな大記録。
posted2014/10/05 10:40
text by
菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi
photograph by
Getty Images
MLBの2014年レギュラーシーズンが全日程を終了した。
プレーオフ争い以外でシーズン終盤に話題になったのは、田中将大投手の復帰とデレク・ジーター選手の引退。ヤンキースの2人に脚光が当たった。
そんな中、決して大きなニュースにはならなかったのだが、とんでもない大記録を達成した選手がいる。ブルージェイズのマーク・バーリー投手(35)だ。
9月24日のマリナーズ戦で今シーズン最後の先発登板をして、8回を投げ3安打無失点と好投。今シーズンの投球イニング数を202イニングに伸ばし、14年連続200投球イニングを達成した。
「今年は何度か5回をもたずに降板したことがあり、難しいかもと思っていた。自分にとっては歳を重ねるごとに厳しさを感じている。今年のキャンプで、個人的な目標として200イニング達成を考えていた。それだけにこの記録は自分にとって大きな意味を持つ」
試合後メディアに囲まれたバーリーは、安堵感と達成感に包まれていた。
過去には、15年連続で200イニングを投げた投手も。
バーリーの記録は、決してメジャー記録のようなものではない。
バーリー以前に14年連続200イニングを達成した投手として、最近ではドン・サットン投手、ゲイロード・ペリー投手、グレッグ・マダックス投手の3人が存在する。奇遇なことに、前の2人はともに1966~80年の期間に15年連続200イニングを達成している。彼ら以外で14年を超える記録を持っているのは、サイ・ヤング、ウォーレン・スパーンの2人だけだ。
しかし、バーリーの記録は彼らに勝るとも劣らない驚異的なものだ。
というのも、200イニングの価値は年を追うごとに上昇しているからだ。